日本酒の味わいには、酵母や造り方など様々な要素が関わってきますが、「酒米」も日本酒づくりに影響を与える一つの要因となります。
私は、酒米の中で「雄町米」という品種を使って造られた日本酒がウマいと感じることが多くて、どうやらそれは私だけでなく、雄町好きのファンが多いという事を知りました。
そこで今回は、雄町米の魅力を伝えるべく、雄町米の特徴や味わい・雄町米を使っているオススメの日本酒の銘柄も(日本酒銘柄は別記事にて)ご紹介していきます。
雄町の特徴
まずは、雄町の特徴を、「栽培編」「酒造り編」「味わい編」に分けて解説していきます。
雄町とは?【栽培編】
数ある日本酒の酒米の中の一つである雄町ですが、酒米の中で「原生種」と言われていて、日本酒造りで一番多く使われている山田錦や、五百万石等、その他の現存している酒米の品種の殆どが、雄町を交配して造られた品種になります。
現在造られている酒米の中で、唯一の混血の無い酒米という事だね!
その歴史は古く、雄町が発見されたのは安政6年(1859年)
そんな誇り高き雄町ですが、栽培の難しさがあるので作っている農家さんは限られていて「幻の酒米」とも言われていた時期もありました。
栽培が難しい理由として、
★稲の背が高くて倒れやすく育てるのが難しい。
★農薬に弱いので害虫に食べられやすい。
★田んぼの広さに対しての収穫量が少ない。
などの理由があります。
しかし、雄町で造った日本酒が人気なのもあって今では生産が強化されてきているので私達も美味しい雄町の日本酒が飲めるという事ですね。
特に、雄町発祥の地である岡山県では特に力を入れて生産しています。
岡山の農家さん・・・ありがとう
雄町とは?【酒造り編】
お米には、中心部に白く濁った「心白」という部分があります。
食用米に比べで酒米は、この心白が大きいのが特徴です。
https://www.ienomistyle.com/sakeguide/20180604-91ienomistyleさんより引用
この心白が大きい程、酒造りに適したお米と考えられているのですが、その理由は、この心白の部分に麹菌が入りやすくなり、良い麹に仕上がる為です。
雄町は、この心白も大きく、味に深みのあるボリューム感のあるお酒が出来るのです。
雄町の特徴は、心白の大きさだけでなく形にもあります。
https://www.gaspo.ne.jp/life/life_detail/index/192.htmlガスポさんより引用
このように、雄町の心白は山田錦と比べるとギザギザになっているため、高精米にするのが難しいというデメリットもあるのです。
また、他の品種と比べて割れやすい上に軟らかく水分を吸いやすいので、醪の中では溶け易く酒造りの技術も必要になってくるのです。
雄町ちゃん・・・、栽培も酒造りに関しても本当に手がかかる奴だな・・・。
雄町とは?【味わい編】
お米づくりにも、酒造りにも手間と技術が必要な雄町ですが、それを乗り越えてでも造る理由はやはりシンプル!「旨い酒が出来るから」
その味の特徴は、
★濃厚なボディ感丸みのある旨味
★余韻も長く楽しめる
★熟成による変化も楽しめる
などがあります。
個人的には、「じゅわっ」とした旨味があって濃厚!って感じる!!
雄町のおすすめ銘柄はコチラ!!!
雄町にハマるオマチスト
私自身もそうなんですが、雄町のお酒ってマジで別格だと思ってます。
日本酒の酒米について、あまり知らなかった頃から「ウマい!」と思うお酒が雄町を使ったものだった事が多かったのがきっかけで酒米に興味を持ちました。
やはり、雄町を使った日本酒は特徴的なのでファンも多く、そんな人達を「オマチスト」と呼んでいます。
今では、雄町のみを使って造った日本酒を集結させて品評会を行う「雄町サミット」というもの行われています。
まとめ
雄町という酒米は、栽培するのも難しくて、酒造りでも技術を必要とするので、誰もが進んで扱いたくなる酒米ではないと思うのですが、今でも無くならずにつくられ続けている事に感謝です。
雄町で造った日本酒の味わいは、どっしりとしていて旨味がギュギュッと詰まっていて飲む人を魅了しています。
品種改良も、素晴らしい事で、また新たな酒米が生まれるのも楽しみの一つですが、原生種である雄町もこれからも大切にしたいですね。
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