寒くなってきて、燗酒が恋しい季節になってきましたね。
今年はコロナの影響で外食を控えている方も多いと思います。
そんな今、お家でも美味しい燗酒を飲んでみたいと思いませんか?!
今回は、日本酒好きの私が過去に飲んだ燗酒の中でも感動レベルに美味しかった日本酒を9選ご紹介していきます。
そして先日、今まで飲んだ日本酒は一体何種類くらいあるんだろうろ思い立ってみて、スマホの写真を見漁って記録のある限りをひたすらエクセルに打ち込むという作業をしてみた所、846種類という結果が出ました。
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データが残っている7年間くらいでこの量なので、記録と記憶がないものも合わせたら1000種類はいっているんじゃないかと思います…
また、燗酒に向くタイプの日本酒の選び方や、お家で簡単に出来る燗酒のやり方なども紹介していますので参考にしてみて下さい。
手っ取り早く、燗酒におすすめの日本酒銘柄を知りたいという方は↓のもくじから「3」に飛んでみて下さい!
熱燗とは?
大衆居酒屋などに行くと、メニューにある「熱燗」を頼むと、わりと熱々になった日本酒が出てきますよね。
私も、20代前半頃チェーン店の安い居酒屋で熱燗にハマってしまったので、
熱々最高!!ぬるいのは許せない!!!
なんて、思ってる時代もありましたww
熱燗=熱めの日本酒。
これはもちろん正解なのですが、「温めた日本酒=熱燗」だけではございません!!
日本酒は、温度が変わるごとに味わいが変化していくので、温度帯によって下記のように呼び方があるのです。
35度→人肌燗
40度→ぬる燗
45度→上燗
50度→熱燗
55度~60度→とびきり燗
こんなにあると混乱してきそうですが・・・私も全て正確には覚えていません。
温めたお酒全般のことは「燗酒」と呼ぶので、燗酒のなかの分類として「熱燗」とか「ぬる燗」があるという訳です。
燗酒におすすめの日本酒の選び方
まずは、日本酒のラベルには必ず書いてある「特定名称酒」から選んでみましょう。
特定名称酒とは、純米酒とか大吟醸とか書いてあるアレです。
米の精米歩合や、醸造用アルコールを添加しているかなどで種類分けされてるものです。
米の磨きが少ない純米酒や本醸造
まず、燗酒に向いている日本酒は、お米の磨きが少ない「純米酒」や「本醸造」のお酒が向いている傾向にあります。(もちろん例外もありますが)
米の精米歩合が進むと「純米吟醸・純米大吟醸」と呼ばれる。
お米は磨けば磨くほどにクセの無い味わいになっていくので、沢山磨いてある大吟醸などの日本酒に比べると、磨きが少ない純米酒や本醸造は米の旨味があって味わいがしっかりしたものになる傾向にあります。
(純米)大吟醸のような、上品な日本酒は燗酒にすると香りが飛んでしまうのに比べて、純米酒系はボディがしっかりとしているので温度をあげても負けない酒質の日本酒になっているものが多いのです。
純米酒や本醸造のお酒のなかでも味わい別に燗酒に向いている日本酒のタイプがありますのでご紹介します。
ふくよか濃厚系
ふくよかで濃厚な感じのお酒は、冷やで飲むには重くて刺激が強かったり香りがキツく感じたりするものも、温めると味わいが柔らかくなって、それはそれは美味しい燗酒になります♥
造り方で言うと「生酛・山廃」系のお酒はこのタイプが多い傾向にあります。
生酛・山廃系のお酒は、乳酸菌を感じるような酸味が特徴で、この酸味も燗酒に向いて居る要素の一つになってきます。
熟成系のお酒も燗酒にするとまろやかになってとっても美味しくなります。
秋に出る「ひやおろし」「秋あがり」というお酒は春先から秋にかけて熟成されたものなので、燗酒向きなものも多いです。
寒くなってきて、燗酒が恋しい時期に「ひやおろし・秋あがり」が登場するのは上手く出来ていますよね。
スッキリキレキレ系
上記で紹介した、ふくよか濃厚系は、温度によって味わいが変わるのも魅力なのですが、逆に温めても味わい自体は変わらずに、安定した美味しさが楽しめるのがスッキリキレキレ系。
大衆系居酒屋で「熱燗」っていうメニューにあるのは大体このタイプな事が多いんじゃないかな?!
日本酒はやっぱり辛口に限る!!カーッとくるやつ!!
日本酒といえば!の、THE辛口系のやつです。
日本酒の味わいを視覚的に見てみると
これは、唎酒師の資格を管理する団体が提案している分類表で、香りと味わいの濃薄で日本酒を分類分けするものです。
日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSL)より引用
https://ssi-w.com/
上記で紹介したふくよか濃厚系は「醇酒」「熟酒」スッキリキレキレ系は「爽酒」に分類されます。
表にしてみてみると、わかりやすですね!!
燗酒におすすめの日本酒
それでは、日本酒をおそらく1000種類以上飲んできた私が本当に美味しいと思った熱燗におすすめの日本酒を紹介していきます。
「ふくよか濃厚系」と「スッキリキレキレ系」別に紹介しますので、お好みに合わせて試してみて下さい♪
おすすめの温度帯も書いてますので、参考にしてもらえたら嬉しいです。
ふくよか濃厚系
やはり、私個人的に燗酒は断然「ふくよか濃厚系」が好きです!!!
温度帯によって味の変化が楽しめるのも魅力的です。
菊姫「山廃純米」石川県
酵母と乳酸菌が共存しながら育つ「山廃造り」の日本酒で、酸味と濃さのある個性的な味わいの純米酒です。
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これを初めて飲んだ時は「大人のカルピス!!」と思いました。
乳酸菌の感じがすごくわかりやすい日本酒です。
ナッツやカラメルを連想させるような香りもあって、濃厚な味わいです。
♨40-45度くらいのぬる燗♨
これくらいの温度だと、ナッツカラメル感と乳酸菌感がマイルドになってじんわりと優しい味わいにります。
50度以上の熱燗にすると、一気に辛口の味わいになるので辛口好きの方は熱めでも◎
玉川「自然仕込純米酒(山廃)」京都府
京都の玉川を醸す杜氏さんは、イギリス人!
日本酒の蔵としては珍しいですよね。
日本酒づくりの伝統と、新しい感覚を兼ね備えた酒造りをしている玉川のお酒の味わいは一言で言うと「骨太!」どっしりと、しっかりとした味わいが特徴です。
その中でも「自然仕込純米酒(山廃)」はコクがたっぷりとあってキレも良く燗酒にぴったりな日本酒です。
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♨55度以上のとびきり燗♨
玉川の日本酒は、酒質がしっかりしているので温度を上げすぎても香りや旨味が飛ぶような事はありません。
むしろ、熱めに温めてから温度が下がっていく中の味わいの違いを楽しめる日本酒です。
紗利「燗佐紫」福井県
燗佐紫は、刺し身に使用するお醤油「むらさき」の左側に燗つけして飲んでほしいという願いが込められた純米酒です。
穏やかで優しい味わいで、刺し身にもはちろんどんな料理にも寄り添ってくれる名脇役な日本酒です。
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♨40-45度くらいのぬる燗♨
酸味が強めの味わいなので、ぬる燗に温めるとまろやかになった酸味が旨味と一緒に程よい刺激になって舌に絡みついてくる感じがたまりません!
鳳凰美田「純米吟醸温め酒燗 雄町」栃木県
鳳凰美田は、冷やで飲むようなフルーティで上品なタイプの日本酒が主流なイメージなのですが、この「温め酒燗」は燗酒向けに造られたタイプです。
蔵の特徴である上品な味わいもありつつも、濃厚な味わいの温め酒は、昔ながらの造り方である生酛造りで造られています。
純米吟醸を温めるというのも贅沢な発想ですね。
酸味・旨味・香りのバランスが繊細で上品な味わいです。
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♨30~40度くらい♨
常温に近いくらいの温度もおすすめです。
しかも、開栓したてではなく、開けて数日以上経つと尚美味しくなります(個人の感想ですが)
空気にふれることで熟成が進み、隠れていた香りが出てくるのです。
開けたてでも、少しぬるめに温めるとこの「数日置いた味わい」に近いものが出てくるのてとっても美味しいです。
旦「山廃純米吟醸・無濾過生原酒・備前雄町」山梨県
山梨県の笹一酒造は、350年以上の歴史がある酒蔵さんです。
そんな笹一酒造が日本酒の伝統製法に立ち返り2013年から醸造開始されたのが「旦(だん)」
乳酸菌の働きを極限まで活かす製法でつくられた日本酒は、どっしりとしているのにピュアな酸味が病みつきになる銘柄です。
その中でも備前雄町を使った純米吟醸を燗にしてみた時はその美味しさに驚きました。
♨40度くらいのぬる燗♨
じんわりした優しさとお米の旨味もありつつ、酸味がじゅわ~っと舌に来る感じが本当にたまりません!
誠鏡「純米にごり酒」広島県
誠鏡の純米にごり酒は、麹造りに50時間以上といった大吟醸並の時間をかけて造られています。
これによって、芳醇で深みのある味わいになっています。
にごり酒を燗酒にするのに驚かれる方も多いのですが、実はめちゃめちゃ良いんです。
温めると、甘みがましてまろやかになりますし、麹の香りも引き立ってきます。
♨40度くらいのぬる燗♨
ぬる燗だと甘みと香りが引き立ちます。
また、このお酒も開栓して常温で数日置くと硬さがやわらいでまろやかになります。
辛口っぽいのが好きな方は、開栓したてのほうが好みかもしれません。
スッキリキレキレ系
スッキリ系でも美味しい燗酒あります♨
しかし、私個人的に「辛口」と呼ばれるお酒があまり得意な方ではないのですが、そんな私でも美味しいと思ったものをご紹介します。
獅子吼「純米超辛口+15」石川県
酒屋さんで「燗酒で美味しいお酒ありますか?」と聞いてオススメしてもらったのがコチラのお酒との出会いでした。
「超辛口」とあるので、辛口が得意ではない私はちょっとビビりながら買ったのですが飲んでみて安心しました。
確かに、キレも喉越しも鋭くて辛口!!って感じなのですが、爽やかさと口当たりの良さもあって飲みやすいのです。
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♨45度くらいの上燗~50度くらいの熱燗♨
温めることでお米の旨味が広がっていきます。
とびきり燗くらいにすると、香りと旨味の感じが少なくなってしまう印象です。
山本「ど辛」秋田県
その名の通り「ど」がつくほど辛口の日本酒というコンセプト。
しかし香りは爽やかで、口当たりも良く雑味もなくホントに辛口?と思いきや、後味のキレ方で辛口を主張してくるいい意味で予想を裏切るタイプの日本酒です。
辛口が苦手な人にも、好きな人にも受け入れられるような味のお酒だと思います。
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♨45度~の上燗♨
温めると、爽やかな香りから「辛口っぽい」香りになってきます。
冷やでももちろん美味しいので、温度帯を選ばないお酒ですね。
乾坤一「特別純米辛口」宮城県
ラベルに「辛口」とありますが、ただただ辛いだけではありません。
乾坤一の純米辛口は、お米の旨味のしっかりある柔らかめの辛口です。
主張しない感じでどんなお食事にも寄り添ってくれる、名脇役系の日本酒です。
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♨40度~55度くらい♨
このお酒は冷やから燗までオールマイティーに楽しめます。
お米のふくよかな味わいを楽しみたいならぬるめで、スッキリ系で楽しみたいなら熱燗です。
お家で燗酒のやり方
燗酒というと、専用の道具がないと難しいんじゃないかと思われるかもしれませんが、電子レンジや湯煎でも燗酒は出来ますので、そのやり方をご紹介します。
電子レンジで燗酒
これは簡単!レンジ対応の徳利に日本酒を入れてレンジでチンするだけ!
500wのレンジで常温の日本酒を1合(約180ml)ならば、約50秒でぬる燗・60秒で熱燗くらいの温度になります。
徳利の中で温度ムラが出来やすいので、途中で開けて徳利を揺らして混ぜてから再度レンジにかけるのがオススメです。
湯煎で燗酒
電子レンジはお手軽で簡単ですが、より美味しく燗つけをしたいならば湯煎がオススメ!
電子レンジよりも、ゆるやかに温度を上げるため、均一に熱がまわり柔らかい味わいになります。
①鍋にお湯を沸かして沸騰したら火を止める。
②徳利に入れた日本酒をお湯の中に入れて、約2分半でぬる燗、3分半で熱燗くらいの温度になります。
※湯に入れている間は、マドラーなどで混ぜるか、徳利を何度か揺すって混ぜると温度がより均一に上がっていきますのでおすすめです。
燗酒づくりの道具を使ってみたい方は
鍋と徳利の他にも、もう少し道具を使ってみたいという方は、温度計・ちろり・泡立てマドラーなどがあるとより本格的になります。
この場合は、徳利の中にお湯を入れて容器を温めながら、ちろりに日本酒を入れて温度管理をしながらマドラーで混ぜるといった感じです。
徳利で温めるよりも、空気に触れる面積が広くなるので、よりまろやかな味わいになります!!
更に燗酒にハマってしまった方は、酒燗器があれば完璧!
お店と変わらないクオリティの燗酒が楽しめますよ。
↑小さくて自宅1人呑みにピッタリですね。
燗酒におすすめの日本酒まとめ
燗酒に向くタイプの日本酒は、おおまかに分けると「ふくよかで濃厚」なタイプと「スッキリキレのある」タイプに分けられます。
ラベルを見て判断する場合は、純米酒・山廃・生酛・本醸造などのタイプがおすすめです。
お家で燗付けする場合、時短だと電子レンジでも良いですが、湯煎だとよりまろやかで美味しい燗酒を作ることが出来ますので、試してみて下さい。
道具を揃えてみるのも楽しみの一つなので、自宅燗酒ライフを満喫しましょう!
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